ストーブリーグ短観06

衝撃に可能性を探ろう。
ノリFA


中日移籍からの彼の言動を知っている身としては、まず彼のドライさに驚きました。
ただ、彼にとって中日は「終の棲家」ではなく「出場機会が与えられる場」だったという事は確か。
そう考えると、定位置が保障されなくなるらしい(本当か?)来季も在籍するメリットは無く、移籍を模索するのは当然でしょう。


さてそんな中村ですが、ホークスは彼の獲得を検討するべき、と僕は考えています。
その理由は大きく分けて3つ。


第一に小久保の年齢的後退です。
来季で38歳の彼は、今季1試合も三塁手として出場しませんでした。
これは彼の衰えを首脳陣が認めたということに他ならず、打撃面でも数年前ならずとも昨季ならカットできていた球を空振ってしまう場面が目立ちました。何より、8月以降成績を落とす傾向が2年続いていることが彼の衰えを物語っています。来季彼がどれくらい活躍できるのか分かりませんが、打線の中で少しでも彼を生かすには代役となり得る選手を補強しておくことは意味があるでしょう。右打ちに上手さを見出す中村ならば、ヤフードームでもある程度の成績が見込めます。


第2に三塁手の不足です。
今季、一軍の三塁の定位置に就いたのは松田。プロ3年目にして立派に勤め上げました。しかし、彼の打撃には大きな波があるのが弱点。スタメン定着2年目となる来季は相手の研究も進み、ドツボに嵌ってしまうと成績が大きく落ちることは十分に考えられます。それでは、代役となり得る選手はいるのか。

現状ではNOです。1軍では松田が140試合以上三塁手として出場し、雁ノ巣では今季で解雇となった吉本が50試合以上ホットコーナーを守りました。
つまり現状では松田以外に三塁手はいないのです。
このポジションに中村が加われば、松田が不振、あるいは怪我で戦列を離れることがあってもゴールデングラブ賞を7回も獲得した彼ならば、十分すぎる代役を勤められます。


これらの不安を解消する方法は無いわけではありません。有力な手としては、外国人選手の獲得が考えられるでしょう。しかし、ここで大きな課題が見つかります。それは外国人スカウトの不振です。
ここ数年、特に親会社が変わった後の外国人野手は期待に十分に応えることができていません。年間を通して見ればブキャナンのようにある程度活躍したケースもあるのですが、求めるレベルが高すぎるゆえに「失敗」とされています。
いったい、フロントは外国人選手にどのくらいの成績を期待しているのでしょうか?
もし、2004年前後のズレータクラスの成績を期待しているのであればホークスに2年以上在籍できる外国人選手は殆どいなくなってしまいます。(この事はニコースキーのblogでも問題視していました)外国人に期待できる環境ではないことがはっきり示されている以上、来季に向けての課題である打線のスケールを上げる為には、国内のFAに頼るのもある程度は仕方ないのです。加えて今季の中村の年俸は5000万。中日に対し補償をする必要がないので、王氏の懸念する「人的補償」は起こりません。


以上を統合すると、ホークスが中村を獲得することは利益をもたらす、と言えましょう。
僕としては、中村も8月以降成績を落としているので、小久保と中村を一塁とDHで交互に起用するのが良いと考えていますが、いかがでしょうか?