回顧録・2006年5月1日 H4-3YB

ネタ不足のときは、回顧に限る。

横浜(H5勝1敗)
   1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
H  0 1 1 1 0 0 0 0 1 4 9 1
YB  2 1 0 0 0 0 0 0 0 3 11 1

[バッテリー]H西山,佐藤,竹岡,○吉武(1勝),馬原(11S)-田上,的場 
       YB三浦,●加藤(2敗)-相川


[HR]H田上(2回・1号・ソロ・プロ初本塁打)
   YB相川(2回・6号・ソロ)

この試合を一言で表すならば「転機」。ホークスにとっても横浜にとっても、何人かの選手に大きな変化が訪れようとしていた。変化の予兆は試合前にはっきりと現れる。この日のホークスの先発は、育成選手からのし上がった西山。マスクをかぶるのはテスト入団の田上。珍しく内野席での観戦となった僕としては「折角お金を出したのに捨て試合かよ」とがっかりした覚えがある。一方、横浜では、不振の佐伯に代わって村田がプロ入り以来初の4番でスタメン。対戦成績がホークスの4勝1敗と一方的であったため、両軍ともにテストの意味合いが大きかった試合だったのだろう。
試合が始まる。いつも通りのホークスの拙攻で幕を開け、西山が登場。しかし、緊張のせいかボールが走らない。瞬く間に連打を浴びて失点。2回・3回も状況は変わらず、結局3回途中で交代。これ以降2006年中に彼の1軍登板は無く、たたき上げのパイオニアは、ほろ苦い先発デビューとなった。
一方、マスクを被った田上。彼のスタメンの理由は「雁ノ巣で西山とバッテリーを組んでいるから」という単純な所にあったが、そのチャンスをモノにする。第一打席から彼の思い切りの良いスイングが三浦の直球を捉え、レフトスタンドへ。田上はパワーのある捕手、という情報が頭に無かったのでビックリ。その次の打席でも引っ張りに徹し、石井のエラーでラッキーな同点打。彼の活躍は王監督以下首脳陣を驚かせたのだろう。田上はこれ以降一軍に定着し、不安定なリードと膝の爆弾を抱えながらも、打てる捕手としての存在感を現在まで見せている。ホークスの2人にとっては対照的な「転機」となった。
一方の4番・村田も良い方向に転がった。立ち上がり不安定な西山の球を捉え、2安打。これ以降北京五輪で離脱するまでの全試合で4番を張り、3年間で2度の本塁打王に加え、3割もマーク。いずれ4番に座ることは確実であったとはいえ、新人の頃のどんな球にも手を出す彼の姿をTVで見てきた者としては、漢・村田が進化する「転機」に立ち会えたことを、光栄に思う。
そんなドラマを交えながらも進む試合。西山の後を引き継いだリリーフ陣が、6回まで毎回先頭打者を出す苦しいピッチングながら無失点に抑えると(リリーフが火の車の現在から見ると隔世の感がある)、球数が120球を越えた三浦に代わった加藤の、先頭打者にだした四球というワンチャンスを捉え、大道の一打で勝ち越し。最後は馬原が登板。またしても先頭打者を出塁させ、ヒヤヒヤさせたものの、疑惑の判定の甲斐あって(?)、見事な勝利。「こういう勝ち方もあるのか」とうならせる試合となった。


やっぱりリリーフがしっかりしていると安心して試合が見られますね。ここ数年は心臓に悪い試合ばかり。先発が完投しないと勝てないのは最悪です。