ストーブリーグ短観09

野球≠basaball.
15秒ルール 周知徹底へ(西スポ)


球界の様々な所から異論が出ている「15秒ルール」ですが、メジャーでは同様なルールを「12秒ルール」として昨年から適用しているようです。そこで「メジャーがやっているのだから日本も」と審判部は考えたのでしょうが、日米の野球観におけるある大きな違いを考慮しなかった事がトラブルを産んでいるのではないでしょうか。それは、「配球の最終決定権が誰にあるか」と言うことです。

「もう一つの課題は、配球の主導権を彼(松坂)が握ること。日本では捕手がリードするが、メジャーでは最終的に何を投げるか決めるのは投手。大先輩のカート・シリングのように相手打者だけではなく、アンパイアの研究までして、綿密にプランを練らねばならない。」
引用元:週刊ベースボール別冊冬季号 2007プロ野球総決算 57ページ

これが何を意味しているのか。それはアメリカには、投手がある程度投げたいように投げられる環境があるのに対し、日本には投手が捕手に隷属している環境がある、ということです。つまり、アメリカでは投球間隔をある程度詰めても、捕手の負担が減るだけ(最初から投手にお伺いを立てれば良い)で大きな問題はないのです。まして無走者の状況ですからね。余談ですが「捕手のリードは投球を助けない」という研究結果がアメリカでは出ているようですが、そういう環境下では確かにリードは重要視されなくて当然と言えるでしょう。
それでは、「15秒ルール」はどうするべきかというと、ルール化を急がず、努力目標としてその意義を地道に説いていくしかない、と考えています。NPBがどう動こうとアメリカの「12秒ルール」は動かしようがありませんから、メジャーリーグ入りを望むならば、早い段階でテンポの良い投球を身に付けておく必要があります。例えば松坂は移籍前年の06年に、メジャーを意識したのか投球テンポが突然良くなったものの、それでもメジャー1年目はテンポに苦しんだそうです。この事実をプロの選手や特にファンに啓蒙することで、15秒ルールを審判が主張せずとも「テンポ良く投げるのが当然」という環境が出来るはずです。その上で、どうしても間隔を開けないと投げられない場合(元G・宮田氏が有名ですね)は、一種の個性として認めてあげる度量の広さを審判が持てば良いのではないでしょうか。


実は時短を考えるならば、とっておきの秘策が残っているのです。それは、やる王涙目w「ワンポイントリリーフの廃止」。球場に野球を見に行ってイライラする要素の一つが、イニング途中の投手交代。一度でも野球を見に行ったことのある方ならば共感していただけると思います。まぁワンポイントの定義があいまいな上、例外も数多く出てきますからルール化するのは困難な案ではありますが。