今季総括03

今回は投手編。


まず野手編同様、今季のトピックを挙げたい。

1.第三のエース、SBMの登場
昨季はリリーフ投手のコマ不足に泣いたホークス。オフにはドラフトでは攝津・金、外国人としてファルケンボーグを獲得した。その中で摂津とファルケンボーグがセットアッパーとして台頭、摂津は抜群の制球力とカーブをファルケンボーグは球威抜群の直球を武器に共に防御率1点台と活躍、WBC以来不振の続いた馬原を9月までもたせた。


2.「先発4本柱」の完全解体
03年以来先発の核を担ってきた新垣・斉藤・杉内・和田。03年以来の4人の勝ち星を合わせると、52→33→56→52→40→22と推移し、07年までは常にチーム全体の勝ち星の4割以上を担ってきた。しかし今季は計19勝。チームは74勝したのでその内4本柱がもたらした勝ちはわずか25%強。2年連続して彼らの勝ち星がチーム全体の4割を切ったのは初めてである。投手王国を担ってきた4本柱の重要度が、大きく低下し始めているのだ。


先ず最初のポイントについて。確かにSBMはチームの浮上に大きく貢献した。しかし来季はその完全解体を覚悟しなければならない。摂津は2年目のジンクスファルケンボーグは右肘痛、馬原は投球スタイルの変更と来季挑む事になる「壁」が高いものになる事が予想されるからだ。そして彼らが不振に陥ったとき、ベンチはいかに対応するか。今季軽視した一人一殺に活路を見出だすのか、ファームで始めから抑え候補を育てておくのか、あるいは今季の9月のように何もせず、ただ手を拱いているだけなのか。来季、秋山采配最大の見所はここにある。


そして先発四本柱の解体について。投手は常に補強しなければならないという格言を実証する形となった今季だが、幸いなことに昨年までの泥縄補充の甲斐あって、大場・巽・岩嵜と抜擢の頃合いにある若手本格派は揃っている。しかし、最大の問題はベンチにある事が今季露呈した。この事は次回指摘したい。