今シーズン展望

いわゆる順位予想というやつであります。


07年より続く打高投低の傾向は各球場のボール変更もあって今年も加速するだろう。そのことを踏まえた順位予想にしてみた。


1位 埼玉西武ライオンズ
2位 北海道日本ハムファイターズ
3位 福岡ソフトバンクホークス
4位 東北楽天ゴールデンイーグルス
5位 オリックス・バファローズ
6位 千葉ロッテマリーンズ

西武

涌井・岸・帆足からなる先発3本柱が充実期を迎えている。3人とも完投能力も高く、そう簡単に連敗しない下地ができている。昨季アキレス腱となったリリーフもシコースキーの加入で軸ができ、不安定ながら藤田⇒シコースキーの「勝利の方程式」が完成した。後は昨年のホークスが敢行したように勝ちパターンと負けパターンで起用法をはっきり分割できれば、課題解決も見えてくる。一方強力打線は今年も健在。破壊力はさることながら、控え層の厚さが他球団とはまるで違う。新外国人・ブラウンの成否が問題にならないほどだ。課題は裏ローテの先発。西口や許では一年間はもたない。菊池もさることながら、昨季一軍昇格を果たした木村文和をブレークさせたい。これが最終的にはVへの必須条件となろう。

日本ハム

弱いといわれていた打線が強力打線に化けてVを勝ち取った昨季。打線強化の一番の原因は札幌ドームのボールを飛ぶボールに変えたことにあった。だが今季はパの全球場が飛ぶボールを採用する。つまり、日本ハムの打撃成績が横ばい(あるいは多少の上昇)では相対的な打力は落ちることになる。となると打撃成績のさらなる上昇が求められるが、小谷野や糸井など昨年がキャリアハイの成績である選手が多く上昇が望めない。幸い中田がブレークの兆候を見せているが、30本を見込めるスレッジの退団でほぼ相殺。かといって走れる選手は田中しかおらず機動力は期待できない。この状況下では、少なくとも昨年のような打線頼みの野球では息切れの可能性が高いだろう。一方投手陣もここ数年の課題が残る。中継ぎ・抑えは充実しているが、ダルビッシュ武田勝に続く投手の台頭がないのだ。長いイニングは投げられないが、試合を作れる鷹キラー・藤井の放出が時期尚早に感じられるほどである。3番手に上がった八木がどれだけ勝ち星を伸ばせるか。それによって大きく順位の変動があるだろう。それでも4年で3回優勝の経験は買いたい。優勝争いには絡むだろうが、息切れの可能性が大きく、2位と予想。

ソフトバンク

長年はずれ続きだった外国人にアタリが続出し、Aクラスに復帰した昨季。だが、キャンプ・OP戦を見る限り、「実績」を作ったことに安心しきっている感が見られる。監督ですら「手ごたえがなかった」キャンプ。若手にはチャンスすら与えられないOP戦。小久保に明確な衰えの色が見え、世代交代待ったなしという時期に来ている昨今、現場に最も必要なのが中長期的な視点なはずなのに、この2ヶ月間それを微塵も感じられなかった。大場の中継ぎ起用や松田の左翼転向、村松のベンチ入りは今にしか目が向いていない起用法の最たるものだろう。確かに力はある。だが、ちょっとしたことでも崩れてしまうような絶妙なバランスで保たれている。それが今のホークスだ。だから、チームの屋台骨である杉内・SBM・MK・川崎の内のどこかに問題が生じると簡単に負け始めてきたし、今季も同じことを繰り返すだろう。それでも私はホークスファンだ。力のあるチームであることは分かっているので、希望を込めて3位に予想する。だが、ぬるま湯の現状のままでは最下位転落・90敗超えの可能性すら十分あると考えている。

楽天

「ラストイヤー」を見事初のAクラスで飾った野村楽天。昨季は運も味方した感があるが、ブラウン体制になってどう変わるか。戦力を見渡して感じるのは軸となる選手の少なさ。投の岩隈・田中、打の山崎と中心選手が強い存在感を放っているのは確か。流石に「軸」の重要さを説く野村監督の作ったチームだけのことはある。だが、今季は山崎が隔年周期の悪い年に当たる。彼が成績を落とした時、代わりに中軸を張れる選手がいない。この点が軸の少なさゆえの不安要素である。更に、わきを固める戦力の薄さは否めない。昨季は宮出・福盛・リンデンと途中入団の選手が力を発揮して問題を解決した(この点が野村監督の運の良さといえる)が、同じことが今年も起こるとは限らない。リリーフでは昨年の酷使の影響が多少なりとも出てくるだろうし、野手では草野のようにできすぎの感のある選手も多く、チーム全体でも打撃成績は低下するだろう。かといってファームの選手に伸びる気配がない。この状況は、広島時代チーム戦略がぶれにぶれたブラウン監督の起用法では完全には解決しきれないと考える。とにかく軸となる選手を故障させない。この一点に楽天の浮沈はかかっているし、それをクリアーできれば優勝争いも望めるだろうが、控えの薄さは息切れの要因となり、結局は3位争いに落ち着くものと思われる。

オリックス

バファローズとしてはラストイヤーに当たる今季。岡田監督の発言を追っていると、阪神時代の経験をもとにオリックスの選手を子ども扱いする向きが見られる。まったく同じことが90年代初頭の土井監督のころに見られたそうだが、結果は芳しくなかったという。「哲学」を語るのは結構だが、チームに与える影響も考慮してほしいところだ。さて、戦力を見渡すと野手陣の高齢化が目につく。T-岡田を抜擢したいという監督の気持ちはよくわかる。だが、この問題は数年前からほったらかしにされてきた事なので、簡単に解決するとは思えない。5年ほどのスパンで解決していく問題だ。峠を越えた有名選手をトレードでかき集めたため層の厚さはあるが、結局それだけという感がある。夏場に息切れの時期がやってくるだろうし、その長さは上位4球団よりも長くなるはず。投手陣は微妙。平野も小松も先発向きの投手であり、リリーフ転向は彼らに良い影響を与えるとはあまり思えない。だが、それだけリリーフ陣の台所事情がひっ迫していることも確か。木佐貫がどれだけ勝ち星を伸ばせるか。2ケタに乗らないようだと厳しい。とはいえ、金子・岸田・山本の3本柱はゲームを壊さない投球が冴え、中継ぎ小松がハマりさえすれば3位争いには絡む可能性はある。

ロッテ

西村体制での巻き返しを図るロッテだが、投打ともに戦力不足の感は否めない。バレンタイン体制末期、唐川・大嶺の台頭で若手抜擢の機運が高まったかに思えたが、その後が続かなかったからだ。バ体制のもとかき集めた社会人投手も中継ぎタイプが主で、先発が足りない。オリックスですら先発失格の烙印を押した川越のローテ入りの可能性が浮上しているほどだ。久保を意味不明なトレードで放出してしまった事が悔やまれる。野手でもとにかく一発が見込める打者がキム・テギュンだけというのが苦しい。今江の伸び悩みが状況を酷くしている。今季はバ体制で生じたひずみやチームの緩み(OP戦を見る限りはまだ続いている)を解消し「まともな状態」にチームを戻すこと。そのためにファームの選手を再評価し、使える選手はどんどん使って角を取っていくこと。それが精いっぱいではなかろうか。


全体としては、西武と日本ハムが優勝争いを展開し、少し開いてホークス・楽天オリックスが3位争いを展開するという感じか。まぁ、昨年の予想を見て頂ければわかる通り、私の予想はあまりアテにできません。そもそも予想自体が難しいという事情はありますが…
というわけで私が下位に予想した球団のファンの方は、むしろプラス思考でw