読書記録02

文化人類学入門。


サンタクロースの大旅行 (岩波新書)

サンタクロースの大旅行 (岩波新書)

読書期間:4/6〜7
購入:book off

印象

守護聖人「聖ニコラウス」が世俗化し、プレゼントを運ぶ「サンタさん」に変化する過程を描く本。地域社会が崩壊し、村で祭りを運営できなくなり、行事自体の意味合いが変化するという現代の日本で起こっていることが、ヨーロッパでは宗教改革の起こった16世紀前後に起こっていることに驚いた。ブッシュ・ド・ノエルゲルマン人の樹木信仰からきている訳ではないのも初耳。
ただ、話の手を広げ過ぎ。18世紀以降のアメリカで確立されたサンタクロース像がフィンランドに逆輸入された。ここまでは良い。ただ、形を変えて生き残る伝統文化云々というのは本筋とは全く関りのない話。読む方がいるようなら、5章は通して読むと混乱すると思うよ。