読書記録03

もはや乱読。


ミラクル (新潮文庫)

ミラクル (新潮文庫)

読書期間:4/8
購入:不明(我が家の本棚に在った)

印象

いまだ見ぬ母を求める少年のおはなし。ほっこり系。
…と読めればどんなに幸せなことか。ひねくれ者からすると、いろいろと引っかかる点があった。
序章でアルの話を聞いた語り手が「人生に大きな影響を与えた」とあるが、影響についての描写はない。「子どもの頃を垣間見た」これが大きな影響なのだろうか。
「母」を求め続けたアルは、雪の降るクリスマスに母の声を「聴いた」という。だが、それはアルが嘘をつくことを覚えた。つまり大人になった。これ以上の意味合いを持っていないとも考えられる。成長自体が「ミラクル」ととらえるべきなのか?
何というか、作りが雑な感じがする。張って置いた伏線をしっかり処理しないまま終わっている感がある。