王ホークスを振り返る〜第1章・ホークスとcaptain51〜

あくまで、ホークスというチームの考察記事なのに個人的な話を延々と書くのはおこがましい気もするのだが、関東の人間がわざわざ福岡の、それもパ・リーグのチームのファンになるには、何か特別な惹かれる要素があるはずだ。そういう観点で読んで頂きたい。
僕がホークスファンになったのは2000年位だろうか。僕は父の転勤についていく形で新潟県・長岡に住んでいた。当時、長岡には大きいスーパーが3つあった。西友ジャスコ、そしてダイエーだ。我が家から一番近いスーパーはダイエーだったため、日常の買い物は殆どダイエーで済ませていた。そうすると、自然と「いざゆけ若鷹軍団」を聞くことになる。この曲に興味を持ったのはちょうどON対決の直前。「この歌のチームは、日本シリーズに出るのか…」それ以来僕は中学受験に差し掛かり、プロ野球の試合を毎日見る事は出来なくなったが、TVのニュースではダイエーホークスの試合を気にしていた。


そして、2003年だ。受験が終わり、初めて買った雑誌は「週刊ベースボール」。開幕前恒例のチーム予想が特集されていた。そこには、斉藤和己、新垣、和田、杉内、寺原…今までとは全く違うメンバーのホークスがあった。チームは小久保の離脱で大きな痛手を負いながらも、文面からは暗さが全く感じられない。燦燦と輝いているのだ。「これはとんでもないチームになるかもしれない…」
シーズンが始まる。父の影響で応援していた巨人が開幕からいまひとつ乗り切れない中、斉藤が、和田が、新垣が、寺原が力投する。城島が、松中が、井口が豪打を見せ付ける。柴原が、村松が復活する。新鋭・川崎が奮闘する。とにかくチームが若い。勢いがある。そして優勝。日本シリーズでも、開幕から主意を走り続けた阪神を破り、日本一。ますます、このチームに惹かれていった。
ここ数年のように、「勝負弱さ」が際立つようになったのはいつ頃からだろうか。それでも毎年1回は球場に足を運び、チームに声援を送った。それは、「あの頃」を懐かしみ、再現を願っているからなのだろうか…


結局のところ、僕はホークスの何に惹かれたのか?歌による洗脳もさることながら、プロ野球全体でも珍しい、日本人を主体とした豪快な野球。そして先発投手が試合を左右するという、分かりやすい昔ながらの野球をしていたことが大きいと思う。一方で、この戦略はよほど戦力が整わないと勝利に結びつかない。この「王スタイル」について、次章では考察してみたい。